「輸入車は車検が高い」とはよく聞くけれど、実際どのブランドがどのくらいかかるのか、購入前・車検前に気になる方は多いはずです。この記事では、Audi・BMW・メルセデス・ベンツの3ブランドについて、車検費用の相場感と、その差が生まれる理由を、元輸入車ディーラー営業の立場から解説します。
なお、車検費用は車両の年式・走行距離・状態によって大きく変動します。ここで紹介する金額はあくまで一般的な目安としてご覧ください。
なぜ輸入車はブランドによって車検費用が変わるのか
部品の輸入コストと流通量の違い
輸入車の部品は、国内在庫がある場合とドイツなど本国から取り寄せる場合とで、価格も納期も変わります。流通量が多いブランド・車種ほど部品は安定して手に入りやすく、逆に流通が少ないモデルは割高になりやすい傾向があります。
整備に必要な専用工具・診断機器の違い
輸入車はブランドごとに専用の診断機器や特殊工具が必要になることが多く、この設備投資と技術習得のコストが、車検基本料金(工賃部分)の違いとして反映されます。正規ディーラーは専用設備が充実している分、基本料金が高めに設定される傾向があります。
ブランド別・車検費用の傾向
車検費用は、大きく「初回車検(新車登録から3年目)」と「2回目以降(5年目〜)」で傾向が変わります。2回目以降は、走行距離が伸びて交換すべき消耗部品が増えるため、初回より費用がかさみやすくなります。
Audiの車検費用の傾向
初回車検(3年目)は、目安として10万円〜15万円程度に収まるケースが多いです。Audiには新車購入時に数年間のメンテナンスプログラムが付帯していることが多く、初回は消耗品交換が少なめで済む場合があります。2回目以降(5年目〜)は、目安として15万円〜30万円程度まで上がる傾向があり、車種やブレーキ・足回りの交換有無によっては、これを超えることもあります。
BMWの車検費用の傾向
初回車検(3年目)は、大きな修理が発生しなければ目安として10万円〜15万円程度で収まることが多いです。2回目(5年目)は、ブレーキパッド・ローターなどの交換が重なりやすく、目安として15万円〜30万円程度が相場感です。7年目以降は、5年目で見送った部品交換がまとめて発生しやすく、さらに費用が増える傾向があります。
ベンツの車検費用の傾向
初回車検(3年目)は、目安として15万円〜20万円程度が一つの目安です。2回目以降(5年目〜)は、目安として20万円〜30万円程度まで上がる傾向にあります。正規ディーラーは「ヤナセ」「シュテルン」の2系統があり、いずれも本国基準の点検項目・専用工具での整備を行うぶん、基本料金がやや高めに設定されがちです。
ブランドを問わず、費用を左右する3つの要因
年式・走行距離
年式が古く、走行距離が伸びるほど、交換が必要な消耗部品は増えます。同じブランド・同じ年数でも、走行距離次第で数万円〜十数万円の差が出ることも珍しくありません。
消耗品の交換タイミングが重なっているか
ブレーキパッド、バッテリー、各種フルード類などは、それぞれ交換サイクルが異なります。たまたま複数の交換タイミングが同じ車検のタイミングに重なると、その回だけ費用が跳ね上がることがあります。
依頼先(正規ディーラー/専門ショップ/整備工場)
同じ車両・同じ整備内容でも、依頼先によって工賃部分(車検基本料)に差が出ます。一般的に、正規ディーラーが最も高く、輸入車専門ショップ、地域の整備工場の順に費用を抑えやすい傾向がありますが、対応できる整備内容や保証への影響は依頼先によって異なるため、金額だけで判断しないことが大切です。
元ディーラー営業が教える、費用を適正に見極めるコツ
見積もりを受け取ったら、「法定費用」「車検基本料」「部品交換代」の3つに分けて見る癖をつけてください。特に部品交換代については、「今回交換が必須な部品」と「まだ交換しなくても良いが推奨されている部品」が、同じ扱いで一律に見積もりに含まれていないかを確認することをおすすめします。予防整備の考え方自体は決して悪いものではありませんが、優先順位を自分で判断できる状態にしておくことが、納得できる車検につながります。
まとめ:ブランド別の傾向を知って、賢く車検に備える
Audi・BMW・ベンツはいずれも、初回車検は10万円台、2回目以降は20万〜30万円台に乗りやすいという傾向があります。ただし、これはあくまで目安であり、実際の金額は車両の状態や依頼先によって大きく変わります。大切なのは、金額の大小だけで一喜一憂せず、内訳を理解した上で、複数の依頼先から見積もりを取って比較することです。
次回は、車検の予約はいつからがベストなのか、2025年4月の制度改正を踏まえたタイミングの見極め方を紹介していきます。

